《デリヘル情報メニュー》情報サイトを信じ過ぎるのは駄目ブログ:2019/6/27
あたしは、農家の三女として生まれた。
親はさぞかし男の子を期待していたことだろう。
農家の嫁でありながら、男の子を産めなかったママ。
あたしが、もし男だったなら、
ママにはもう少し明るい人生があったかもしれない…
物心ついた頃から、あたしは祖母のそばにいた。
祖母はいつもママの悪口を言っていた。
幼い頃から聞かされていたので、あたしもママがきらいだった。
汚い、臭い、気がきかない…そういった言葉だった。
あたしが小学生の時、学校からの帰り道、
今にも悪天候が降り出しそうな午後だった。
遠くに人影が見えた時、嫌な予感がした。
だんだん近づいて来る…
やはりママだった。
「わあい、お母さんだ」
喜んでかけ寄り、かさを受け取る…
それが普通の娘の姿だろう。
「はい、かさ!」
あたしは、無言でママからかさを受け取った。
ママは、お姉さんたちのかさも用意していて
あたしとは反対の方向の学校へ向かっていった。
そのことがあたしにはせめてもの救いだった。
ママと並んで歩いて帰るなど、ぜったいに嫌だったのだ。
「今の人、お母さん?」
友人が聞く。
「うん」
あたしは、それ以上何も言いたくなかった。
もんぺ姿のママを友人に見られたことが、
ずっしりと重くのしかかっていた。
ママはいつももんぺをはいて、汚ない格好をしていた。
ママはおしゃれな服など一枚も持っていなかった。
服を買うためのお金がないことも、
あたしは娘ながらに知っていた。
あたしが目覚めた時、ママはすでにもんぺ姿である。
あたしが眠りにつく時、ママはまだもんぺ姿である。
もしかしたら、寝る時も、
もんぺをはいているのではないかと疑ったこともある。
ママのもんぺは、赤い模様があったが、
色あせて疲れているようだった。